“OOO”(オーオーオー)は、メールやチャットで不在を知らせる“Out of Office”の略として使われる。相手が不在のとき、送られたメッセージに対して、あらかじめ設定された文章が自動的に返される。返信はあるが、それに応答した人はいない。誰もいないにもかかわらず、何かがあるかのように、応答だけが続いていく。本展では、“OOO”が示すこの状態を、テクノロジーによってつくられた空洞として捉える。
私たちの日常を支えるテクノロジーの多くもまた、この意味で“OOO”である。生成AIにプロンプトを入力すれば、私たちはただちに回答を受け取ることができる。しかし、その向こう側に、私たちの問いを受け取り、考え、言葉を返すひとりの「誰か」がいるわけではない。利便性や自動化が進むにつれて、ひとつの結果に至るまでに存在していた試行や判断、ためらいや逸脱といった過程は、しだいに意識されにくいものになっていく。
本展は、制作を通して、そうして見えなくなった部分に焦点をあてる。作家それぞれの視点から、それを引き延ばし、ずらし、組み替えることで、そこに別の応答や関わり方を生み出すことを目指す。“OOO”は、不在を知らせる記号であると同時に、テクノロジーによって見えなくなったものの所在を問い、それらに別の仕方で触れるための記号でもある。
10.30—11.3
最終日 11.4 のみ 17:00まで
東京都新宿区新宿5-18-11
入場無料